凍星   >      >

ヤルネリ短歌+α


青嵐選んで飛べよアホウドリ

あなたとはまだ話すこと有りすぎてあの夜で別ることなどできず

鳥のよな澄ました色がそこに居て籠は開けたがついて来るなよ

いつのまにつがいになって飛び立った父は笑えど我は寂しき


短夜に蛍火追って渡る川じかんよとまれこのてにとまれ

腐れたる草は蛍となり光る遠いあの日の送り火に似て

青鷺は哀しからずや砂の白血潮の赤を見つめ輪廻す


やわらかく物憂げな香の濡れた肌ハイドランジア水をたたえて

ひと雫まなじりあふれ流れ落つ綺麗に濡れたハイドランジア

紫陽花のようにあなたと朝寝する雨に隠れて短夜明けず


2023 夏

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